補助金打ち切りによる
コンサドーレ札幌の未来予測

上・両立は成るか あきの@緊急連載風 10/03(木) 01:51:31
 サッカーJ1のコンサドーレ札幌を運営する北海道フットボールクラブ
(HFC)に対し、道が来年度の補助金と貸付金計6億円の打ち切りを検討
していることが分かり、関係者に波紋が広がっている。チームは現在2勝
18敗1分け、勝ち点7と年間最下位に低迷し、来季のJ2降格が濃厚だ。
J2降格と同時に支援打ち切りとなった場合、HFCは「大幅な経営縮小」と
「J1への早期復帰」という難しい目標の両立を迫られる。

 ●大きな比重
 道は98年度から貸付金5億円を、00年度から補助金1億円をHFCに
支援してきた。HFCは貸付金を運転資金に、補助金を下部組織の育成や
道内各地の少年サッカー教室の開催費などに充ててきた。
 HFCが9月に発表した今年度上期の中間決算によると、今年度の年収
見込みは約23億4600万円。道の補助金が年収の4・2%に及ぶ。
また、年収のうち、入場料収入やグッズの販売収入といった流動的な収入が
半分近くを占めるため、貸付金が確実な当座の運転資金となっている現状が
うかがえる。

 ●「聖域」にあらず
 しかし、HFCの現状とは別に、ある道幹部は「補助金の見直しは全庁的に
進んでいる」と述べて、HFCが「聖域」ではないことを示唆する。
 全国の都道府県は現在、高齢化や景気低迷による住民税など自主財源の目減り、
政府が掲げる地方交付税や公共事業費の削減に苦しんでいる。特に道の場合、
今年度の当初予算案をみると、貯金に当たる基金残高がほぼゼロになった一方、
借金に当たる道債残高が5兆円と10年間で2・5倍に膨れ上がった。
 この財政危機に際し、道は限られた予算の効果的な配分を目指し、「不況と
雇用対策」を道政の最大課題に掲げる。道政に詳しいHFCの持ち株会会員から
は「コンサドーレの場合、経済浮揚効果が表面に現れにくく、雇用の拡大に
直接つながらないのが弱みだ」と話し、新年度予算の配分見直しで真っ先に
やり玉に挙がったのではないか、としている。
 また、「調整型」「与野党相乗り」の議会運営を進める堀達也知事について、
「3選を前に、コンサドーレと縁が薄い道東、道北の道議の意向が無視できず、
強い姿勢で臨めないのではないか」とその思惑を指摘するサポーターもいる。

●ボタンのかけ違い
 一方で、HFCの見通しの甘さを追及する声も出てきた。
 道は補助金や貸付金の給付に当たり、「02年W杯に向けたサッカー振興」を
名目とし、W杯終了後の見直しをのぞかせていた。しかし、HFC幹部には、
サッカー教室開催などを理由に、コンサドーレの公的価値を過大に見積もって
いた雰囲気がある。
 短期的な給付をもくろんだ道に対し、恒久的な給付を思い描いたHFCの
間には、支援をめぐる「ボタンのかけ違い」があった。「相手が見直し姿勢
なのに、HFCはチーム成績をはじめ、その姿勢を覆す好材料を何も示せな
かった」と憤るサポーターも現れている。





中・打ち切り、その余波 あきの@緊急連載風 10/03(木) 01:44:03
 「HFCは個人向け社債を発行できないか」
 道の貸付金打ち切り方針を受けて、HFCの持ち株会のある会員はこのように
提案する。貸付金に代わる運転資金として、00年に募った増資よりも社債の方
が融通しやすいというのが理由だ。
 だが、個人向け社債は期限を区切って返還しなければならない。また、通常の
預貯金より利率を高く設定することが原則だ。収支が好転する見通しもなしに、
個人向け社債を発行することは、ますます収支の悪化を招くという懸念がある。
さらに、「00年の増資にはJ1昇格という追い風があった。今年は逆風ばかり
で、社債を発行しても、00年ほどの伸びは望めない」という慎重論も出ている。

 ●福岡の二の舞い
 しかし、貸付金打ち切りがHFCの運転資金の実質的な削減、硬直化を招いた
場合、「代替案がなければ、J1には当分戻れない」という不安がサポーター
には根強い。99〜00年のJ2生活を経たサポーターには、「J2のレベルが
年々上がっている」「J2を勝ち抜くには、J1と違う戦い方が求められる」と
いう教訓が残っているからだ。
 特に、01年のJ1で1勝1敗としのぎを削った福岡の今季のJ2での低迷
ぶりが、この教訓を裏付けている。福岡は第。節終了時で勝ち点、の8位。
すでに2位C大阪との勝ち点差は揩ノ広がり、今季のJ2残留が決定的になって
いる。のみならず、6位湘南との勝ち点差も奄ニなり、Aクラス確保も厳しい。
 対照的に、かつてクラブ存続も危ぶまれたJ2古参の甲府は第。節終了時で
勝ち点ォの7位と躍進を遂げた。J2で苦闘を続けるうち、選手の地力と一体感
が増し、呼応するように観客数も伸びて、J2の中堅に成長したケースだ。
 元J1の苦闘とJ2古参の躍進。コンサドーレがJ2に降格した場合、経営
縮小に手を打たないままに勝ち抜けるほど現状は甘くなさそうだ。

 ●ノウハウの偏り
 「HFCが掲げるホームアイランド構想はどうなるんでしょうね」
 釧路市在住のあるサポーターは、道の補助金打ち切り方針も心配する。
「道がHFCを見限ったワケだから、HFCが全道的な活動を見直しても
不思議じゃない」
 特に少年サッカー教室の縮小が心配という。道内の10代のサッカー格差を
助長するおそれがあるからだ。
 道内の高校サッカー界は来季以降、クラブユースを含むスーパーリーグ構想
を模索している。関東や関西、中部地方で実現済みの同構想は、苑繻續シの
選手の強化と発掘に大きく貢献している。
 だが、道内の場合、コンサドーレを含む道央のクラブユースと高校、一部の
強豪私立校がリーグの出発点となる気配だ。道央以外の高校の大半はこのリーグ
から取り残される。
 「道央以外ではレベルの高いリーグに参入できない。そのうえ、サッカー
教室が縮小され、プロのノウハウも学べないとなれば、道東や道北在住の素質
ある子どもは次々に流出しますよ」。長期的に見た場合、道の補助金打ち切り
は教育・スポーツの不均衡につながると、このサポーターは指摘している。





下・ジーコ発言 あきの@緊急連載風 10/03(木) 01:39:34
 「J2からは基本的に呼ばない。同じレベルの選手がいたら、迷わずに
J1から選ぶ。より厳しい戦いを経験しているのだから当たり前だ」
 アジア競技大会が開催中の韓国・釜山で先月29日、日本代表のジーコ
監督は代表招集の方針について、このように発言した。原則として、J2
クラブに所属する選手の代表入りが絶たれた形になった。「ジーコ発言」は
代表入りを狙う実力派や有望な若手を、J2クラブが獲得することが難しく
なったことを意味している。

 ●注目のサイクル
 国内のサッカー選手に対するメディアの注目の周期は近年、Wユース→
五輪予選→五輪→W杯予選→W杯という流れになっている。この流れに
乗った選手が全国的な人気選手に成長した。
 95年Wユース→96年アトランタ五輪→98年フランスW杯を経た
中田英寿や、99年Wユース→00年シドニー五輪→02年日韓W杯を
経た稲本潤一らが典型だ。多少の挫折はあったが、小野伸二や中村俊輔も
この流れに沿っている。
 Wユースやアテネ五輪予選が開かれる来年は、この流れの3度目の
出発点になる。05年にドイツW杯予選を控えることを考えると、
より濃密な途切れのない流れになりそうだ。
 このため、来年に有望な若手を保有・獲得し、代表に育てることが
クラブ発展の出発点になる。人気選手による観客動員やグッズ販売収入は
クラブ経営の基盤だからだ。しかし、「ジーコ発言」により、その出発点
にはJ1とJ2で歴然とした差がついたことになる。

 ●格差の拡大
 「ジーコ発言」は同時に、代表入りを狙えるほどに成長した選手の流出を、
J2クラブが防ぐことが難しくなったことも意味している。仮にJ2クラブが
有望な若手を獲得し、代表級に育てたとしても、そのクラブがJ1に上がれない
場合、若手がチームに残る理由がなくなるからだ。
 結論として、J1クラブは有望な若手を獲得する機会に恵まれ、それだけ
クラブ発展のチャンスを得ることになる。反対に、J2クラブは有望な若手を
獲得する機会に乏しく、運よく獲得しても流出の憂き目に遭い、クラブ発展の
チャンスを逃し続けることになる。
 多くのサッカーファンは「J1とJ2の間にはそもそも設立時から、経営
基盤や練習環境、観客動員力で差がある。その差がますます広がるはずだ」と
みている。これを受けて、コンサドーレの現状をある持ち株会の会員はこう
考える。「2部制の趣旨に照らすと、J1とJ2の格差拡大は悪いことではない。
だが、HFCがその現実を考えず、経営縮小に何の手立てもなしに、現状維持の
ままJ2を戦うのならばとても許せない」。





疲れた・・・ あきの 10/03(木) 01:34:53
というわけで、読売の記事をもとに、珍しく硬派な文章を書いてみました。
ちなみに、上・中・下でそれぞれ新聞記事に直すと100行以上あります。
これを4時間で書き上げました。仕事でも普段からこれだけやれたらねえ(笑)

イズムのメルマガで、永井さんが読売とほぼ同じ問題を提起していたので、
いずれ表に出るとは思っていましたが・・・私の経験上、行政が「白紙」として
いるのならば、それはほとんど「打ち切り」「取りやめ」を意味しています。
よくて「削減」でしょうね、残念ながら。




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